当院の地域連携室は、2007 (平成19)年12月に開設しました。
全国の医療機関において、地域(医療)連携室が設置され始めたのは、介護保険制度が施行された2000年頃になります。その当時の診療報酬改定で、「急性期入院加算」や「紹介外来加算」が創設された事から、紹介状を介した病院と病院の連携や病院と診療所の連携が発展した為、草創期の地域連携室の業務内容は、その紹介状の管理部門として活動する等、「前方連携」を重視したものでした。
しかし、2006年の第5次医療法改正によって医療機能分化・地域医療の連携体制の構築が進められ、病院完結型医療から地域完結型医療へと変化した事や医療連携加算が削除され、それに代わり退院調整(退院支援、連携パス加算、退院時共同指導料)や在宅療養関連項目が評価されるようになり、「後方連携」が重視されるようになっていきます。当院の地域連携室は,このような病院完結型医療から地域完結型医療への転換期に開設し、現在に至ります。
私たちは、患者様一人ひとりに、適切な医療・福祉サービスをご提案できるよう、日々、地域の医療・福祉施設との連携強化に努め、地域に開かれた病院を目指しています。
また、退院後、患者様が安心して地域に帰ることが出来るよう、退院前カンファレンスや地域連携会議等を開催し、情報交換を積極的に行い、退院支援を行っています。
・入院・外来受診の相談業務
・退院支援(各種施設・介護保険サービス等の紹介)
・転院調整等、他医療機関との連記窓口業務
・各種研修や学会への参加・企画
・紹介受診・入院調整(前方連携)
・医療・福祉相談業務
・地域の情報収集や病院を広報(他医療機関・介護施設訪問)する活動
・ベッドコントロール等院内連携の為、地域連携会議の開催
当院は国土交通省より NASVA(※ 1)短期入院協力事業指定病院の指定を受けています。
短期入院の目的は「重度後遺障害者の援護」としており、NASVA と関係機関等様々な連携を経て入院受け入れを行っています。
交通事故による脳損傷の為に後遺症を負った被害者の多くは在宅で家族による介護を受けながら生活されています。そのような重度後遺症を負った方々は医療機関において、診察・検査・リハビリテーションを受け、健康状態を定期的に把握することが必要です。
また、介護されているご家族にとっては、専門的見地から在宅介護の技術、ケアの方法等について助言を受けることが望ましいと考えられています。
当院では、積極的に重度後遺症(脳損傷)を負った方々の短期入院の受け入れを行い、病状把握や病状の改善、リハビリテーション、介護技術の向上を図る事を目的として脳神経外科専門病院として率先して取り組んでいます。
※1 NASVA(ナスバ)とは
独立行政法人自動車事故対策機構(National Agency for automotive Safety & Victims’Aid)の略称。
NASVAは事故から「守る」、事故を「防ぐ」、被害者を「支える」をスローガンに自動車事故の発生防止及びその被害者への援護を主な目的とした国土交通省所管の独立行政法人
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