脳外科診療において画像診断は必要不可欠な物です。当院では、最先端の高度先進医療を担うために、最新の医療機器と経験豊富なスタッフで日々の検査・治療に努めています。
24時間365日CT・MRIなどの検査体制を維持し、救急救命医療に努めています。
脳外科診療にとって、CT・MRIなどの医療機器は、ハイスペックな機器を必要とします。そのため、全身(腹部・整形分野)の撮影も可能です。検査のみの紹介依頼も受け付けております。
●当院の導入機器
2023年 4月より新機種CT(Canon製Aquilion ONE)導入!
CTとは(Computed Tomography)の略で、日本語ではコンピュータ断層撮影といいます。
人体の周りをX線を出す管球とX線を読み取る検出器が回ってデータを収集します。得られたデータをコンピュータで計算して人体の輪切り画像を作成します。
検出器が多数あるマルチスライスCTは、一度に読み取るデータ量を多くすることができ、撮影時間の短縮・高精度の検査をすることが可能です。
その中でも320列の検出器を搭載したCanon製Aquilion ONEは、エリアディテクターCTといい、寝台移動が無く、1回転で16cm(0.5mm×320列)の範囲を撮影します。
ボリュームスキャンにより、頭部や心臓を1回転で撮影終了します。小児検査や緊急時でも簡単に撮影ができ、威力を発揮します。
当院では、令和5年4月にエリアディテクターCT Aquilion ONEを導入しました。
脳神経外科病院では、CTは病気を診断・治療・フォローするためにはとても重要な役割を担っております。
Aquilion ONEの導入で、より精度の高い画像を提供できるようになりました。
320列エリアディテクタの連続回転により、従来CTでは極めて困難だった造影剤の流れ、臓器の動きなどを観察可能になりました。
血管造影などの他の画像診断装置の代用がCTで可能になりました。
FIRST(順投影通用モデルベース逐次近似再構成法)
AIDR 3D
AiCE(Advanced intelligent Clear-IQ Engine)
コンピューターの進化により、AI技術・ディープラーニング技術も進化し画像再構成技術も向上し、より綺麗で高精細な画像を提供できるようになりました。
Vitreaの導入により、ペナンブラ(血流量が低下している領域にあって細胞死・脳梗塞を免れている領域)の判別が行えるようになり、血管内治療に行うための、新たな指標を提供できるようになりました。
単純CT検査:造影剤という薬を使用しないで撮影する検査です。
造影CT検査:造影剤を静脈注射して行う検査です。
造影剤を使用することにより、病変の存在、形態や性状などがより詳しく描出されます。
CT検査の実際(頭部・頚部)
★造影剤を使用しない時★
1 全体像を撮影します。
2 部位に合わせてスライスmm数、撮影範囲を設定します。
3 撮影
★造影剤を使用する時★
1 全体像を撮影します。
2 部位に合わせてスライスmm数、撮影範囲を設定します。
3 造影剤の静脈注射、インジェクター(自動注入器)で注入します。
4 注入しながら、または注入後、設定した秒数後より撮影します。
5 撮影
6 撮影終了
造影剤の副作用やアレルギー症状がないか確認し、注射針を抜去します。
インジェクターで造影剤を注入します。
1~4ml/秒と注入速度が速いため、注射漏れがないか穿刺部位や点滴の接続部位を撮影直前まで患者様の横で観察し、操作室からもインジェクターの圧力が高くなっていないか、造影剤のアレルギー症状がないかなどを観察しています。
検査時間は撮影する部位によってかわりますが、5分から10分程度です。
検査でのお願い
検査を受けられる患者さまは、検査部位にある金属類など(以下のようなもの)は検査の妨げになりますので取り外していただきます。
・ ヘアピン、イヤリング、ピアス、眼鏡など(頭頚部撮影)
検査中はベッドに仰向けに寝ていただき、身体を動かさないでください。
呼吸停止の合図がある場合には、その声に従ってください。
CT検査では血管や臓器をより見やすくするために造影剤という薬を静脈に注射し、撮影する場合があります。
ヨード造影剤のアレルギーや気管支喘息がある方は、原則として造影剤を使用できません。
造影剤により、まれに副作用が発生する場合がありますので、検査中に気分が悪くなったときはお知らせください。
MRIとは(Magnetic Resonance Imaging)の略で、日本語では磁気共鳴画像診断といいます。
人体の組織・血管などを磁場と電波を利用してデータを収集し、コンピュータで計算し画像化します。縦、横、斜めと様々な断面の撮像が可能です。3Dデータの収集も可能で、より高精細な画像や3D(立体)画像の作成等も可能です。
X線CTとは違い、X線を使用しないので、放射線被ばくのない非侵襲的な検査です。また造影剤を使用せずに、血管を描出するMRA(MRアンギオグラフィー)も撮影できます。
当院では、GE製3T(テスラ)MRIとCanon製1.5T(テスラ)MRIの2台が稼働しています。
T(テスラ)とは、磁場の強さを表す単位であり、磁場の強さが大きくなるほど、短時間で高精細な検査が可能となります。
3T(テスラ)MRIを導入することで、最先端の脳外科診療に大きく貢献しています。
検査を受けられる患者様は、通常、筒型(奥行き方向に170cm程度)の装置の中に寝ていただくだけで痛みなども伴いません。検査によっては造影剤という薬品を静脈注射することもあります。
検査時間は検査内容によって大きく異なり、10分から30分程度かかる検査もあります。
検査を受けるにあたって検査を受けることができない方
・ ペースメーカーをされている方
・ 心臓に機械弁を入れられている方
・ 人工内耳を入れられている方
●入れ墨、一部の化粧品、コンタクトレンズなどはごくまれに発熱する場合がありますので、事前にご相談ください。
●妊娠中、または妊娠の可能性のある方は必ず検査前に医師または担当者にお知らせください。
検査室は常に磁場が発生していますので入室前に腕時計、ヘアピン、ネックレス、下着の金属、眼鏡、補聴器、入れ歯など、金属類はすべて外しておいてください。
また、キャッシュカードなどの磁気カードを持ち込まれますと、使用できなくなる場合がありますのでご注意ください。
★MRI検査室に 持ち込んではいけないもの★
MRI検査室には24時間常に巨大な磁場が働いています。
そのため、持ち込んではいけないものがあります。検査が終わっても磁場は消えません!
・金属系
腕時計・補聴器・携帯電話・カセットテープ・MD・ヘアピン・アクセサリー類(イヤリング、ネックレス、指輪など)
義歯・財布・小銭・ライター・メガネ・電池など・・・
これらを持ち込むと、患者様が検査室の中にいる時は、大変な事故になることがありますので、ご注意ください。
・磁気性
磁気カード(診察券・キャッシュカード・テレホンカード・定期券など)
添付式磁気治療薬(ピップエレキバン・磁気バンド・耳つぼ針付き治療薬など)
これらを部屋の中に入れると、磁場をみだし、検査の障害となります。
また、その物品の機能に障害を与えたり、強力な磁場に引かれ、怪我をする場合もあります。
脳血管造影検査は、脳梗塞やくも膜下出血など、脳の状態を調べるときに行われる検査です。
脳の主要血管の形態診断、くも膜下出血、脳梗塞などの脳血管障害、動脈瘤などの脳血管の病変や脳腫瘍などの血行支配の状態などを調べるために行います。
造影剤と呼ばれている薬剤を頭部の血管にカテーテルを通して注入し、血管の中を造影剤が流れていく様子をX線で連続撮影することで、頭の血管の詳しい様子を調べることができます。脳血管造影検査で得た情報を、手術などの治療計画へと活用します。
脳血管造影検査は検査そのものは1~2時間で終了します。
カテーテルの挿入は鼠蹊(そけい)部に行います。穿刺する部位に痛み止めである局所麻酔注射をして、穿刺部の動脈内にカテーテルを挿入していきます。レントゲン透視を見ながら適宜造影剤を注入し、確実に脳の血管にまでカテーテルを進めていきます。
まず動脈の入口にカテーテルを入れ、胸から首までを撮影します。次に、カテーテルを奥まで進めて頭部を撮影します。そして、病変部は拡大撮影して精査するという流れになります。
X線撮影中は、数秒~十秒程度頭を動かさないことが必要です。検査終了後はすぐにカテーテルを抜き、15分間圧迫して血を止めます。その後鼠蹊部であれば約6時間ほどベット上で安静にします。
日本人の主な死亡原因である、ガン、脳卒中、心臓病は三大成人病と言われています。脳卒中は働き盛りの人が突然倒れる。物忘れがひどくなって痴呆になる、寝たきり老人になってしまう⋯ など非常に怖い病気です。
脳卒中には、脳の血管が詰まる脳梗塞、血管から出血する脳出血血管に出来たコブ(脳動脈瘤)が破れるくも膜下出血などがあります。
他に、脳疾患には脳腫瘍、パーキンソン病、老人痴呆などがあります。
これらの病気を早く発見して治療し、また、予防することが大切です。
「めまい」や「頭痛」など思い当たる症状がないからといって、脳が健康な状態であるとは決して言い切れません。
早期発見、早期予防は、自分自身の健康、あるいは人生そのものを守る上で、欠かせない非常に大切な健康管理のひとつとなってきました。
中でもMR検査(磁気共鳴撮影)やCT検査(断層撮影)に代表される医療機器、検査機器のめざましい進捗は、無症候、未発症の脳や脳血管の病気、あるいはその危険因子を危険や痛みを伴うことなく、迅速に、しかも安全で正確に発見することを可能にしたのです。
永冨脳神経外科病院では、3TMRI導入し、造影剤などを使用せずに脳の血管形状(極々小さな瘤)等を撮影可能になり、クモ膜下出血の原因である脳動脈瘤の早期発見に役立っています。
脳神経外科・内科の専門医として、永冨脳神経外科病院は、早くから“脳”の最先端医療に取り組んできました。
最新鋭の医療機器、検査機器の充実はもとより、高い医療技術を持った専門の医師やスタッフが豊富に揃っている点で、当院は常に高い評価を受けてきました。
「日本脳ドック学会」のガイドラインにそって、問診、検査、診断治療、さらにはリハビリテーションまでが一貫して行われるシステムを構築していく中で、理想のハイテク機器と医療技術の集積により、現在では極々小さな病変でも早期に、しかも正確に発見することが出来るなど、より信頼性の高い予防医療として永冨脳神経外科の「脳ドック」が大きな注目を浴びています。
・予約制ですので、申し込みをすませて、予約日時にご来院ください。
・心臓ペースメーカー埋め込み手術を受けられている方は、MR検査はできませんが、CT検査などはできますのでご相談ください。
・以前に脳手術を受けられた方は、予約申し込みの時に、お知らせください。
・問診
・診察
・MR検査(頭部MRI・頭頚部MRA)
・胸部X線検査
・頸部血管エコー
・心電図測定
・血圧測定
・血液、尿検査
・もの忘れ検査 など
検査結果の報告と指導
当日、検査終了後に脳神経外科・脳卒中専門医から結果の報告と指導を行います。
脳ドックの予約申込先は医事課まで
Q:予約は必要ですか?
A:予約が必要になります。ホームページまたはお電話にて内容等をご確認のうえ 097-545-1717 にて予約をお願いいたします
Q:脳ドックは健康保険適用ですか?
A:適用にはなりません。自費診療45,000円になります。
Q:被ばくを考えたら、1か月何回撮影しても大丈夫ですか?
A:頭部CT被ばくで影響するのは、水晶体への影響です。
1回の検査での水晶体の被ばくは、50mGy(mSv)
白内障になるしきい値は、5Svですので、100回検査した場合に白内障になると考えられます。
数回検査したからと言って、体に影響がでることはありません。